総合病院の眼科看護師の仕事内容は楽で年収高い?経験者が徹底解説

[公開日]2018/10/04[更新日]2018/10/11


「総合病院の眼科看護師の仕事って、本当に楽なの?」
「総合病院の眼科看護師の仕事内容や役割について具体的に知りたい」
「総合病院、大学病院の眼科看護師って、年収はどれぐらいなの?」


私は勤務歴12年の看護師で、総合病院の眼科病棟でも勤務を経験しています。

眼科病棟を検討している看護師にとって、聞きにくいけど知りたい情報は多くありますよね。

眼科看護師は楽だというイメージを持っている人も多いようですが、本当にそうでしょうか?

ここでは、筆者が総合病院の眼科病棟での実体験を元に、仕事内容からお給料のことまでお話ししたいと思います。

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執筆者:真田 綾乃
看護師

看護師歴12年。総合病院で7年間(眼科、脳神経外科、婦人科等)勤務後、訪問看護の看護師を経験。




総合病院の眼科の看護師の仕事内容は楽?



それでは、実際に眼科の看護師がどのような仕事をするのかを具体的に解説していきましょう。

眼科の看護師が行う業務内容とは?

眼科の看護師の主な業務内容は以下の通りです。

・入院前の内服薬や点眼薬の把握(禁忌薬の把握と医師や薬剤師との連携)
・術前の処置(抗生剤の静脈投与、術前の点眼薬の投与)
・術前、術後の患者の移動
・術後の身体状態の把握
・術後1日目の点眼指導
・退院後の点眼指導

眼科の手術は毎日行うのではなく、曜日を決めて多くの患者さんの手術を順番に行っていきます。

そのため、術前の点眼や抗生剤の投与の時間の数分後には、次の患者さんに手術の順番が廻ってくるのです。

看護師は患者さんの名前とその順番を間違えないように、指示された投薬を確実に行わなければなりません。

総合病院の眼科の看護師の一日の流れ

それでは実際の仕事の様子について、タイムスケジュール形式で紹介していきます。

ある日の総合病院の眼科看護師一日の流れ
8:00 情報収集
・患者さんの手術の順番と術前処置の時間や内容を確認

8:30 夜勤帯からの申し送り
・介助を要する患者さんや、点眼薬や内服薬の確認など

9:00 担当の患者さんへ挨拶
・手術内容の確認、術前の抗生剤投与や点眼(10~15分おきに3度ほど)

9:30 患者さんを手術室へ移送
・必要な患者さんは車椅子で移送
・白内障の手術は片目10分で終了するため、手術室への移送と迎えが繰り返される
・患者取り違えや見落としを防ぐため、何人かの看護師で手術の対応


11:30 昼休憩
・手術の進行状況や、術前処置を申し送り

13:30 手術
その日の手術予定にもよりますが、午後から硝子体手術といって、白内障よりも手術時間が15分から30分ぐらいかかる手術が予定されていました。

15:00 全手術終了
・日勤帯の間で全ての手術を終えることが多い
・術後の抗生剤の終了時間を確認して抜針
・疼痛や嘔気などのその他の症状の出現の把握と対応
・眼帯で片目を塞がれているので、必要な人はトイレや着替えの介助


16:00 夜勤帯への申し送り
・手術の迎えや術後の点眼薬が夜勤帯になる場合は申し送り

クリニックの眼科看護師とどこが違う?


クリニックと総合病院の看護と違うところは、以下の2点です。

・クリニックは眼科のみだが、総合病院は他科の看護も行う
・クリニックに夜勤はないが、総合病院には夜勤がある


私はこれまで2か所の総合病院の眼科病棟に配属されたことがありますが、どこの病院も耳鼻咽喉科や脳神経外科など他科の看護を行いながら、眼科の看護も行っていました。

日帰り手術を行っているクリニックも多くありますが、総合病院よりクリニックは体力的に楽かもしれません。

ただし、クリニックは患者さんがいる限り看護師も帰るわけにはいきませんので、残業になることも多いようです。

総合病院の眼科看護師の年収は高い?勤務条件は良いか



それでは、総合病院の眼科看護師の給料事情についても詳しく解説していきます。

クリニックよりも総合病院の方が年収は高い

総合病院の眼科病棟は看護師の仕事日数や休日数も他科と比べて変化はほとんどありません。

日本看護協会の給料データを参照すると、ベッド数にもよりますが、勤続10年以上の看護師は26万から28万/月ほど給料があるようです。

眼科クリニックは単科であり、夜勤もない事から、給料も10万ほど低く設定されているところがほとんどです。

総合病院の眼科看護師の平均年齢や勤続年数は?


総合病院や大学病院の眼科病棟は外科の混合病棟となっていることがほとんどで、入院中の患者さんを看護しているため、20代の新人看護師から40代のベテラン看護師まで年齢層は幅広いのが特徴です。

眼科クリニックであれば、夜勤がなく日曜や祝日は休診日であることがほとんどなため、子育て世代の30代から50代の看護師が多いようです。

残業は多い?総合病院の眼科看護師の勤務時間

眼科の患者さんが関係している残業はほとんど経験がなく、他科の患者さんの手術後の対応や急変によって、残業したということがあります。

クリニックの場合、業務時間が終了していても、患者さんがいる限り、申し送りをする交代の看護師がいない為、残業が必要です。

総合病院の眼科は他の科と比べて大変?

眼科病棟の夜勤は、他の科と比べて大変だったという事はないと思います。

まれに、精神疾患を既往歴に持っている患者さんや、麻痺がある患者さん、介助を要する患者さんがおり、トイレや食事などに介助を必要とする方はいらっしゃいました。

しかし、夜間帯に眼科の医師から指示が出ることもありませんし、眼科患者さんの対応で大変だったり、辛かったことはほとんどありません。

眼科の看護師がスキルアップを狙える2つの資格


眼科の看護師のスキルアップに必要な2つの資格について紹介します。

眼科コメディカル
眼科コメディカルの資格を取るには、日本眼科医会の医師がいる医療機関で1年以上勤務し、年に一度行っている講習会に参加し、その後ある認定試験に合格する必要があります。

国家資格ではありませんが、この資格を取得することで、眼科看護を深められるいい機会になるでしょう。

視能訓練士
視能訓練士は視力検査以外にも、眼圧検査や眼底検査、視野検査などの専門的な検査を行います。

看護師でも、医師の指示があればこれらの検査を行う事は可能ですが、眼科領域を深めたいという看護師は1年間専門の機関で学習すれば国家試験の受験資格が得られます。

眼科コメディカルよりは、専門的な部分まで知識が必要となるため難易度は上がります。

総合病院の眼科看護師の役割とは?



総合病院の眼科看護師の役割は大きく3つに分けられます。

外来患者の看護
手術患者の看護
入院患者の看護

外来患者の看護
・入院時の説明、自己点眼の指導
・診察前の点眼処置
・診察補助、検査説明、誘導
・検査業務の補助

手術患者の看護
・手術の介助
・手術器具のメンテナンス
・患者さんに対する手術前後の説明

入院患者の看護
・手術後の観察と処置
・入院中の生活サポート
・退院後の点眼の方法を指導、生活指導

以上が眼科看護師の主な役割となります。これらの役割を果たすために、以下の3つのことを注意してください。

①患者さんの質問には正確に答えられるようにしておく
局所麻酔の目に見える手術は不安が大きい
②退院後の1日4回の点眼の難しさを知る
患者さんにとってはとても根気のいることと理解して指導する
③いつもとは異なる薬品の投与指示があった時に間違えないように注意
術前処置がルーティンワークになりやすいので注意

このように、眼科看護師は患者さんの気持ちに寄り添いながら、一人一人の術前の処置内容と手術時間を把握し、行動計画をしっかり立てて業務に臨む必要があります。

総合病院の眼科看護師に向いている人・向いていない人



それでは、筆者が考える総合病院の眼科看護師に向いている人と向いていない人の特徴を紹介していきますので、参考にしてみてください。

総合病院の眼科看護師に向いていない人

①眼科の業務は楽そうだと考えているだけの人
安易な考えで業務に臨むのは危険
②患者さんとのコミュニケーションが苦手な人
患者さんに説明をする場面が多い

はっきり言うと、眼科は楽そうだと考えている人は長続きしません。

そのような安易な考えで業務に臨むと必ず、術前処置の内容を間違えたり、患者さんを転倒させたり、不安を増強させたりといったことが考えられます。

患者さんとのコミュニケーションについては、説明内容を理解し、他のスタッフの説明を見ながら訓練すれば自分なりに患者さんとコミュニケーションが取れるようになるものです。とにかく諦めずに取り組む姿勢が大事だと思います。

総合病院の眼科看護師に向いている人

①看護師としてのスキルが高い人
②勉強意欲が高く、向上心のある人
術前術後、退院後の生活にも目を向けて勉強できる人
③患者さんの気持ちを理解できる人
患者さんの恐怖心や不安を理解できる人

眼科の看護師に向いている人は、向学心に溢れた思いやりのある人だと思います。

眼科の手術は目に見え、手術中の会話も聞こえるため、患者さんの恐怖心や不安が大きいものです。

医療者は簡単な手術と捉えがちですが、患者さんの気持ちに寄り添い、声掛けが出来ることが眼科看護の大切なことだと思います。

眼科の看護師求人を探すには?私が試した4つの方法



眼科の看護師に転職したかった私は、眼科の看護師求人を以下の4つの方法で探しました。

①各病院のウェブサイト
②ハローワーク
eナースセンター(都道府県看護協会の求人サイト)

④看護師専門の転職サイト

看護師専門の転職サイトは抵抗感があったのですが、一番良かったのは看護師専門の転職サイトでした。その理由を紹介します。

看護師専門の転職サイトを使って良かった理由

①求人票に書いていない情報がわかった
残業や夜勤の実態がわかった
②自分のキャリアで何がアピールできるのかわかった
浅いキャリアの自分でも自信が持てた
③自分で探しても見つからなかった好条件の求人と出会えた
眼科の求人は少ないので助かった

サービス残業で悩まされた職場を経験して「求人票」を信用できなくなっていた私は、求人票だけで応募を決めることができず、なかなか転職活動が進められずにいました。

しかし、キャリアアドバイザーから情報をもらえ、細やかに相談に乗ってもらえたことで、自信を持って転職活動を進めることができたと思います。

求人票だけではわからない情報は匿名で質問してくれる
転職サイトのキャリアアドバイザーの人は聞きにくいことも匿名でなんでも聞いてくれたので助かりました。例えば、こんな内容も病院にどんどん尋ねてくれます。

・私に予定される基本給や夜勤手当の金額
・昇給の可能性や金額
・眼科への配属を考えているか
・残業はどれくらいあるのか
・支払われている残業代の金額


転職サイトに登録してから、一人で転職活動をしていたときとは比べ物にならないくらい情報量が増え「行きたい」と思える病院にどんどん出会えるようになりました。

自分では見つけられない眼科の求人と出会えた
眼科は他科に比べると人気があり、勤務歴の長い看護師が多いせいか、あまり求人が出ません。

仕事内容は慣れてしまえばさほど難しくないので、診療助手を雇って看護師がいない、もしくは、看護師が一人という病院もあります。

また、コンタクトレンズ外来を休日に設けている病院や、ショッピングモールにあるクリニック等は、一般のクリニックより遅い時間までの勤務や休日出勤もあります。

看護師専門の転職サイトなら、このような細やかな情報も得ることができるのです。

自分のキャリアの中でアピールできるポイントが分かる
また、キャリアが浅く自信が持てなかった私の過去の経験を紐解いて聞いてくれて「こんなことがアピールになるんだ」と目からウロコでした。自分の看護師としての価値を再発見できました。

自分が転職する際に何を伝えれば良いのかがハッキリ見えたことが、一番のメリットだったと思います。


眼科の求人が多いのはどれ?看護師転職サイトおすすめランキング



それでは、私が眼科へ転職する際に登録していてよかったと感じた転職サイトを紹介していきます。

看護師の転職サイトを選ぶポイントは以下の3点が重要です。

看護師専門の転職サイトを選ぶポイント
手厚い転職サポート体制があるか・・・看護師の転職では専属のキャリアアドバイザーを活用できるかが重要
眼科の公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある

これらの点を踏まえ、眼科志望の看護師が登録しておきたい転職サイトを選びましたので紹介します。どのサイトも登録は無料です。

サイト
総合評価
転職サポート
眼科の公開求人数

担当者と
2人3脚

現場知る担当に
会って相談

626件

求人数多く
担当も経験豊富

面接・書類対策
手厚く支援

1509件

眼科求人数
TOP

専任担当が
求人を紹介

5238件

求人は少ない
大手のサイト

専属担当が
対策/交渉支援

165件

※眼科の公開求人件数は2018年8月4日に眼科の求人を絞り込み検索した結果

眼科の求人になるべく多く触れ、自分と相性のいいキャリアアドバイザーを探すためにも、必ず2~3社以上の転職サイトに登録しましょう。その中でもっとも相談しやすい1社をメインの相談役とすると良いでしょう。

それでは、特に登録をオススメできる3つの看護師転職サイトについて紹介します。

マイナビ看護師マイナビ看護師は看護師専門のキャリアアドバイザーが直接会って相談に乗ってくれました。

私の場合、まだ眼科への転職を決断していない状況だったのですが、快くカウンセリングは受け付けてくれました。今の仕事の悩みを相談したのですが、それだけでもかなり視野が広がりました。

担当のキャリアアドバイザーは何度も病院に足を運び、細やかな情報も多く持っているので、自分に合った眼科を見つけられる確率はグッと上がります。

私がメインで使っていたサイトでもあり、「マイナビ看護師」は絶対に登録しておいた方が良いサイトです。

無料で登録できる「マイナビ看護師」へ

ナースではたらこ「ナースではたらこ」を運営している「dip」は求人の専門会社です。地域別の求人情報に精通したエリア担当者が多数在籍しています。

各担当者は転職支援のプロなので、履歴書・面接対策、入職後のフォローまでサポートしてくれるので安心して転職活動が可能です。

「ナースではたらこ」は眼科の求人情報の数も多いので、なるべく多くの眼科求人情報と触れるためにも登録しておいたほうが良いサイトだと評価できます。

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「看護のお仕事」は眼科の求人数の多さが魅力の看護師専門転職サイトです。

担当者に自分のこれまでの経験や希望条件を詳しく伝えることで、自分に合った眼科の求人を多く紹介してもらえるでしょう。それが、転職活動成功のカギとなります。

数多くの種類の眼科求人の中で自分に合った転職先を担当者と一緒に探すことができるので、登録しておいて損はありません。

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総合病院の眼科看護師の仕事内容は決して楽ではない


総合病院の眼科看護師は「楽で給料が高そう」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

ただし、生命の危険のある患者や容態の急変などで精神をすり減らすことはないでしょう。そのため、精神的な負担は他の科よりも少なめということはあるかもしれません。

眼科看護師への転職を目指したい人はまず、看護師専門の転職サイトに登録して、情報を得るところから始めてみてくださいね。

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