総合病院の脳神経外科看護師の仕事内容はきつい?4年経験者が給料事情まで告白

[公開日]2018/10/04[更新日]2018/10/11


「総合病院の脳神経外科看護師の仕事ってどれぐらい大変なの?」
「総合病院の脳神経外科看護師の仕事内容や役割について具体的に知りたい」
「総合病院、大学病院の脳神経外科看護師って、年収はどれぐらいなの?」


私は総合病院の脳外科病棟で4年間働いた経験のある、勤務歴12年の看護師です。

脳神経外科は看護師としてやりがいにあふれている診療科ですが、ただ「キツそう」だと感じる人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、脳外科病棟に日勤・夜勤の仕事内容から急変時の対応まで、私が体験した脳外科病棟看護師の裏側をそのままお伝えします。

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執筆者:真田 綾乃
看護師

看護師歴12年。総合病院で7年間(脳外科病棟に4年)勤務。その後は訪問看護の看護師を経験。




総合病院の脳神経外科看護師の仕事内容は大変?



脳神経外科の仕事内容はハードなイメージが強く「キツそう」と思う人も多いかと思います。実際はどうなのか、具体的に解説していきましょう。

脳神経外科の看護師が行う業務内容とは?

脳神経外科の看護師が行う医療行為は、主に以下のようなものです。

脳神経外科の看護師が行う医療行為
・検査前、検査後の看護(CT,MIR、脳血管造影検査)
・手術前の看護
・手術後の看護(血圧管理、神経症状の観察、ドレーン管理、IN・OUT管理)
・点滴管理
・胃瘻や経鼻経管栄養の管理

脳神経外科と脳神経内科との違いは?

脳神経内科は手術がないため、手術後の全身管理が無い点が大きく違います。

脳神経内科の看護師が行う医療行為
・入院後の看護(意識状態の把握、血圧管理、神経症状把握)
・リハビリの訓練介助 など

また、脳梗塞後に言語障害や麻痺が残ってしまった場合は、社会復帰が出来るように入院中からリハビリで訓練を行ったり、必要な社会資源を患者さんや家族に提案していく必要があるのです。

総合病院の脳神経外科の看護師の一日の流れで何が大変?

それでは、脳神経外科の看護師のとある日の一日を詳しく見てみましょう。

8:00 情報収集
集める情報・・・夜勤帯の状況、術後の患者さんのIN/OUTやバイタルサイン、検査の予定など

8:30 夜勤帯からの申し送り
・夜勤帯の申し送りから医師がいる間に必要な指示は確認が必要
・患者さんケアの協力体制を確認


9:00 業務の開始
・まずは担当する患者さんに朝の挨拶
・術後ドレーン管理を必要とする患者さんや人工呼吸器を使用している患者さんのチェックと申し送り


9:30 保清の援助や検査出し
・患者さん1人に対して2人の介助が必要

11:30 昼休憩
・2班に分かれて休憩に入る
・必ず担当の患者さんの予定や、重症患者さんの申し送りを行う


13:30 検温
・面会時間が始まるため、家族とのコミュニケーションも行う

15:00 記録や緊急入院の患者さんやICUから帰室する患者さんの対応

16:00 医師からの指示の確認
・予定の手術が終わると、医師も病棟に戻るため、必要な指示を確認

16:30 夜勤帯へ申し送り
・手術が終わらないと医師も病棟へ戻って来れない為、稀に夜勤帯で指示受けをする場合も

17:30 夕食の食事介助
・食事介助は、患者さんを車いすに乗せることから
・夜勤帯の看護師は少ない為、ヘルパーさんが手伝ってくれることも


18:30 食後薬の配役、経管栄養の準備と投与
・その合間にも、トイレ介助でナースコールがあったり、重症患者の対応も行う
・面会の家族へ対応も必要


20:00 面会終了
・消灯前にオムツの確認と、体位変換の介助

21:00 消灯
・消灯後も2~3時間おきにオムツ交換と体位変換の介助、巡回

21:30 交代で休憩を取る
・夜勤帯の看護師は1時間半ほど仮眠が可能
・夕食はこの休憩時間に取るか、手が空いている時間帯に夕食を取るかのいずれか


0:00 水分量IN/OUTの計算
・24時間の飲水量と尿量を計算
※稀ですが夜間帯に不穏状態になる患者さんの対応が必要な場合は、休憩が取れないことがあります。


8:00 朝食の準備、モーニングケア
・洗面や口腔ケアの介助
・経管栄養の投与も行う

クリニックの脳神経外科看護師とはどこが違うか

クリニックの脳神経外科と総合病院の脳神経外科の違いは以下の点です

・夜勤がないので、日中のみの稼働
・手術を行わない
・残業は患者さんが外来に居るときだけ
・勤務以外に地域のイベントに参加が必要な場合もある

クリニックでは手術は行わないため、緊急で手術が必要とする患者さんに対しては、紹介状を用意して脳神経外科がある総合病院、若しくは大学病院への受診を勧めることになります。

私が知っている脳神経外科のクリニックでは、地域の活動として急変時の講習会などを開いていました。勤務以外にも、地域のイベントに参加が必要な場合もあるようです。

総合病院の脳神経外科看護師の年収は高い?勤務条件は良いか



総合病院の脳神経外科看護師の給与水準、年収は?

私が総合病院の脳神経外科勤務だった頃、二交代の夜勤を月に5~7回行い、手取りで月に32万円は稼いでいました。

私が働いていた当時は、夜勤をできる看護師が少なく、二交代で月に5~7回夜勤をこなしていました。

そのため、お給料は他の病棟で働いていた時よりも一番多く頂いていたと思います。経験年数が上がり、夜勤もこなしていれば、総合病院に勤務していればお給料もアップします。

クリニック勤務だと夜勤がない分、お給料は低くなります。

総合病院の脳神経外科看護師の年齢層は?

私が勤務していた頃は、以下のような状態でした。

20代から50代までの看護師が勤務
・40代から50代の看護師は「身体的に辛い」と異動希望を出すことが多かった
⇛ベテランの看護師が少なくなりがちで指導者不足

私が退職し、当時一緒に勤務していた看護師に現在の脳外科病棟の状況を尋ねると、ベテランの看護師が少ないため、教えてくれる看護師が少なく、いつか大きなインシデントが出そうで怖いという話を聞きました。

その年の人員配置やスタッフの状況によっても看護師の年齢層は変わるようですね。

総合病院の脳神経外科看護師の勤務時間は?残業はある?

脳外科病棟の残業は緊急の場合など、やむを得ないときには発生します。

なぜなら、脳神経外科の予定手術は最長で5、6時間かかる事があり、医師も朝のうちにオーダーを出してくれることがほとんどだからです。

やはり緊急の入院が入ると残業になりますが、病棟のスタッフが助け合い、受け入れを行うことで迅速に対応が出来ていたと思います。

総合病院脳神経外科の夜勤はきつい?

脳神経外科の夜勤は体力的にも精神的にも辛いことが多くありました。

なぜなら、脳血管障害の後遺症で、人格が変わったり、徘徊をしたり、不穏状態になる患者さんがいたからです。

また術後に脳に大事なドレーンを装着している患者さんが、自己抜去などのリスクがある状態だと、身体拘束をすることもあります。

少人数の看護師で、睡魔と闘いながら、集中力が途切れないようにそのような患者さんの対応をすることはとても大変でした。

総合病院の脳神経外科看護師の役割とは



脳神経外科の看護師にはどのような役割があり、それを果たすためにはどのようなスキルが必要なのかを解説します。

脳神経外科の看護師の主な役割

①患者さんの心と体のケアをする
・脳血管障害の術後の後遺症で、麻痺や構音障害が残る患者さんのケア
・リハビリのサポート、退院後に必要な情報の提供

②患者さんのちょっとした変化を見逃さない
・脳の二次障害の可能性は血圧、神経症状の変化で分かる
・慢性期や回復期の患者さんでも水頭症や、脳出血、動脈瘤などの初期症状が起こる

③意識がない患者さんなどの細かな記録・管理<
・人工呼吸器やドレーンの管理と記録
・オムツ交換や保清、ポジショニングなどの援助も重要

このような役割を果たすために必要なスキルは、以下の3つです。

・神経症状の悪化や血圧の変動に気づける「洞察力」
・変化があれば即座に医師に報告できる「行動力」
・患者さんの希望に寄り添える「コミュケーション力」

入院中は「洞察力」「行動力」が必須ですが、退院に向けて準備してくときには「コミュニケーション力」もとても重要になります。

一人ひとりに合った退院後の生活のサポートが重要
障害を持ちながら退院する患者さんも多い為、退院後の生活もイメージし、その患者さんと家族がどのように暮らしていきたいかという希望に寄り添い、退院後の必要な社会資源やサポート体制を整えることも重要です。

これらは、看護師のみならず、医師やソーシャルワーカー、リハビリのスタッフと情報を共有して、退院に向けて調整していく事になるため、必要な情報を話し合うことは大切な仕事となります。

総合病院の脳神経外科看護師として働くメリット・デメリット



総合病院の脳神経外科看護師として働くメリットとデメリットを紹介します。

総合病院の脳神経外科看護師として働くデメリット

・勉強量が多く必要で大変
・急患対応が多く、辛い
・容態が急変するので神経を使う
・夜勤が辛い

脳神経外科の看護師は勉強量が多いことと、急患対応の多さによる業務のハードさがデメリットです。

これらのデメリットを克服するコツは以下の通りです。

勉強はその日に経験した処置や対応を振り返る
教科書や参考書だけではイメージが付きにくく、なかなか覚えることができません。

初めての処置には一人で付かないと思うので、一度見学して、その日に経験した処置や対応を振り返ったほうが、イメージしやすく頭に入ります。

急患対応はとにかく相談
いつもと違う状況に遭遇した場合、医師に報告する前に、他の看護師に報告して相談する事が重要です。

特に夜勤帯は、看護師の人数が減る事と、夜間不穏状態になる患者さんや、ドレーンの自己抜去が考えられる患者さんの対応は、かなり神経を使います。

夜勤で人員に見合った看護が難しい場合は師長に相談し、ヘルパーを導入してもらうなど、対応を考えましょう。

総合病院の脳神経外科看護師として働くメリット

・患者の命に関わる仕事でやりがいがある
・観察力や看護力が磨かれる
・脳・神経系・内科・脊髄疾患の処置や医学知識の勉強が出来る、学ぶことが多い
・他の科よりも給与が高めの傾向がある

脳神経外科の場合、患者さんの急変が直接命に結びつく状況が多々あり、その経験が以下のようなことに役立ちます。

・的確に役割分担して指示を出せるようになる
・救急外来に志願する場合は重要なスキルになる
・専門的な検査や処置の対応ができる


脳神経外科の仕事はハードで忙しいかもしれませんが、今後も看護師として生きていく上で、大きなスキルアップとなることは間違いないでしょう。

総合病院の脳神経外科看護師に向いている人・向いていない人



それでは、私が脳神経外科に勤務していた経験から、脳神経外科の看護師に向いている人と向いていない人の特徴を紹介します。

脳神経外科の看護師に向いていない人

①夜勤や残業の少ない仕事がしたいと思っている人
・夜勤帯の患者さんの様子は重要な情報
・高い意識で望まないと仕事は続かない

②検査データを見たり、数字を見るのが苦手な人
・採血データから状態をアセスメントするのは重要なスキル
③患者とのコミュニケーションが苦手な人
・患者さんと家族の想いや今後の方針などを検討する力
④処置や検査等の看護の知識や技術の勉強が苦手な人
・脳神経外科は勉強量が多い診療科

一方、以下のような特徴を持っている人は、脳神経外科の看護師に向いていると思います。

脳神経外科の看護師に向いている人

①患者さんの体や心の繊細な変化に気づける人
②患者さんや医療チームとの円滑なコミュニケーションが取れる人
③たくさん勉強してスキルアップを目指したい向上力のある人
④患者さんに辛いことが起きても気持ちを切り替えられる人
⑤夜勤が多くても大丈夫な人
⑥救命の分野や急変時の対応に興味がある

脳神経外科の看護師に向いている人は、患者さんの身体状態の変化に気が付くことができ、それを自身でアセスメントし、他のスタッフに相談して対応ができる人です。

また、勉強量が多いのですが、それに負けない向上心を持った看護師が向いていると思います。

脳神経外科の求人を探すには?私が試した4つの方法



脳神経外科の看護師に転職したかった私は、脳神経外科の求人を以下の4つの方法で探しました。

①各病院のウェブサイト
②ハローワーク
eナースセンター(都道府県看護協会の求人サイト)

④看護師専門の転職サイト

看護師専門の転職サイトはあまり登録したくなかったのですが、一番良かったのは看護師専門の転職サイトでした。その理由を紹介します。

看護師専門の転職サイトを使って良かった理由

①求人票に書いていない情報がわかった
今の病院も求人票のイメージと実情は違った
②自分のキャリアで何がアピールできるのかわかった
浅いキャリアの自分でも自信が持てた
③自分で探しても見つからなかった好条件の求人と出会えた
非公開求人には魅力があった

今の職場を経験して「求人票」を信用できなくなっていた私は、求人票だけで応募を決めることができず、なかなか転職活動が進められずにいました。

しかし、キャリアアドバイザーから情報をもらえ、細やかに相談に乗ってもらえたことで、自信を持って転職活動を進めることができたと思います。

求人票だけではわからない情報は匿名で質問してくれる
転職サイトのキャリアアドバイザーの人は聞きにくいことも匿名でなんでも聞いてくれたので助かりました。例えば、こんな内容も病院にどんどん尋ねてくれます。

・私に予定される基本給や夜勤手当の金額
・昇給の可能性や金額
・残業時間はどのくらいあるのか
・支払われている残業代の金額 
・どの病棟・どの科への配属を考えているか


転職サイトに登録してから、一人で転職活動をしていたときとは比べ物にならないくらい情報量が増え「行きたい」と思える病院にどんどん出会えるようになりました。

自分のキャリアの中でアピールできるポイントが分かる
また、キャリアが浅く自信が持てなかった私の過去の経験を紐解いて聞いてくれて「こんなことがアピールになるんだ」と目からウロコでした。自分の看護師としての価値を再発見できました。

自分が脳神経外科のナースになるためにどんな想いを伝えれば良いのかがハッキリ見えたことが、一番のメリットだったと思います。

脳神経外科の求人が多いのはどれ?看護師転職サイトおすすめランキング



実際に私が脳神経外科の看護師に転職する際、登録してよかったと思えた転職サイトを紹介していきましょう。

看護師の転職サイトを選ぶポイントは以下の3点が重要になります。

看護師専門の転職サイトを選ぶポイント
手厚い転職サポート体制があるか・・・看護師の転職では専属のキャリアアドバイザーを活用できるかが重要
脳神経外科の公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある

これらの点を踏まえ、脳神経外科志望だった私が登録して良かったと思う転職サイトを選びましたので紹介します。どのサイトも登録は無料です。


サイト
総合評価
転職サポート
脳神経外科の公開求人数

担当者と
2人3脚

現場知る担当に
会って相談

1688件

求人数多く
担当も経験豊富

面接・書類対策
手厚く支援

1762件

脳神経外科
求人数TOP

専任担当が
求人を紹介

3975件

求人は少ない
大手のサイト

専属担当が
対策/交渉支援

不明

※脳神経外科の公開求人件数は2018年9月24日に脳神経外科の求人を絞り込み検索した結果

脳神経外科の求人になるべく多く触れ、自分と相性のいいキャリアアドバイザーを探すためにも、必ず2~3社以上の転職サイトに登録しましょう。

それでは、特に登録をオススメできる3つの看護師転職サイトについて紹介します。


マイナビ看護師マイナビ看護師は看護師専門のキャリアアドバイザーが直接会って相談に乗ってくれます。

もちろん、まだ脳神経外科への転職を決断していない状況でもカウンセリングは受け付けてくれるので、まずは今のお仕事の悩みを相談してみると良いでしょう。

担当のキャリアアドバイザーは何度も病院に足を運び、細やかな情報も多く持っているので、自分に合った脳神経外科を見つけられる確率はグッと上がります。

私が転職時にメインで使ったサイトでもあり、「マイナビ看護師」は絶対に登録しておいた方が良いサイトだと思います。

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ナースではたらこ「ナースではたらこ」を運営している「dip」は求人の専門会社です。地域別の求人情報に精通したエリア担当者が多数在籍しています。

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私は提案される求人に目を通し、良いものがあったら担当者に連絡をとるようにしていました。

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総合病院の脳神経外科看護師の仕事内容は大変だがやりがい十分


総合病院の脳神経外科看護師の仕事は確かに大変かもしれません。

容態の急変や命にかかわる救急の患者の対応で神経を使う仕事であることには間違いないでしょう。

しかし、その分看護師と学べることも多くありますし、やり甲斐も大きいと思います。脳神経外科看護師の経験は、自分自身のスキルアップへ大きく繋がるでしょう。

脳神経外科看護師への転職を目指したい人はまず、看護師専門の転職サイトに登録して、情報を得るところから始めてみてくださいね。

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