現役看護師が教える、保育園ナースのリアルな仕事内容と給料事情
[公開日]2019/02/19

「保育園の看護師は、子育ての経験が活かせそう」
「保育園の看護師ってどんな仕事内容なの?給料は?」
「保育園の看護師はひとりだけって本当?」
「保育園の看護師ってどんな仕事内容なの?給料は?」
「保育園の看護師はひとりだけって本当?」
私は大学卒業後、大学病院で3年間勤務したあと、行政で母子保健担当の保健師として1年勤務しました。
その後、子どもと触れ合う仕事がしたいと思い保育園へ看護師として転職し、保育園で勤務を始めて1年6か月になります。
この記事では、保育園看護師の仕事内容や保育士さんとの人間関係、給料・ボーナス、求人の探し方などを転職するときに知りたかったことをまとめたので、参考にしてみてくださいね。
目次
保育園での看護師の仕事って何をするの?

保育園看護師は園内で唯一の医療職で、ほとんどの園は看護師が一人なので医療的なケアや判断は自分自身で行う必要があります。
もちろん保護者への連絡や病院へ連れていく場合、救急車を呼ぶ場合など最終的な判断は園長先生と相談しながら行います。
保育園行事に参加することも
園によって違いはあるようですが、私の勤務する園は保育士さんと同じように運動会や餅つき大会などの行事に参加したりすることもあります。子ども好きの人には楽しい職場です。保育園勤務の看護師の仕事内容とは?
保育園での主な仕事内容は以下のとおりです。保育園の看護師の主な仕事内容
・園児の体調確認
・子どもの発育・発達の確認
・ケガや急病時の対応やその後の判断
・手洗いなどの健康指導
・園内の巡視
・園内の消毒等の感染予防への取り組み
・保護者のケア
・行政との連携
・運動会やお遊戯会への参加
・園児の体調確認
・子どもの発育・発達の確認
・ケガや急病時の対応やその後の判断
・手洗いなどの健康指導
・園内の巡視
・園内の消毒等の感染予防への取り組み
・保護者のケア
・行政との連携
・運動会やお遊戯会への参加
特に、看護師として重要な仕事は園児の体調確認です。
私の勤務する園では、登園時に体温を測定し37.8℃以上であれば基本的にお預かりをお断りしています。ですがお仕事をしている親御さんですので預けられないとなると支障が出てしまいます。

お子さんの体調がすぐれないときにはお仕事の休みが取れればよいのですが、そうもいかない場合も多いのでお子さんの様子と緊急連絡先を確認し、多少の熱であれば看護室でお預かりすることもあります。
また小さな子どもの体調は変わりやすく、さっきまで元気に走り回っていた子がぐったりしていたりすることもあるので、普段の体調を日常的に知っておくことも保育園看護師の大切な仕事です。
保育園看護師の1日のタイムスケジュールをチェック!
8:00 出勤・自身の着替えなど業務の準備
8:30 登園してくるお子さんの体調確認と連絡帳の確認
保護者の育児相談にのることも9:00 0歳児クラスの調乳手伝い、0歳児保育に参加
泣いてしまったときにあやす、保育士さんのする手遊びを見ながら一緒に行う11:30 昼食の準備手伝い
12:00 食事介助をしながら自身の昼食
自身は保育士さんに介助を変わっていただけたタイミングで別室で昼食を20分程度で摂取13:00 ケガや急病の対応(大体一日5件程度でほぼ擦り傷の対応)、保育日誌記入
適度に休憩(大体一日2時間程度は取得できている。)しながら行っています18:00 業務終了
日によって11:00~20:00の勤務もありますがその場合は保護者のお迎え対応が19:00頃からあります。
保育園ナースならではの”大変だと感じたこと”
私が感じた保育園ナースならではの大変だと思ったことは0歳児の保育です。私の園では0歳児を10人お預かりしているのですが、0歳児クラスに保育士さんが2人なのでミルクの調乳や授乳の手伝いに入ります。

私は子育て経験もないので乳児のお世話も看護学生時代の実習のみでした。
授乳も母乳を冷凍して持参するお母さんもいらっしゃるので解凍の仕方や量など初めはとても戸惑いました。

保育士さんへの相談や育児本で知識を増やす
大変なことも多いですが、わからないことは保育士さんに相談しながら知識を増やし、子どものために迅速な対応ができるようになれるのはこの仕事のやりがいです。これから保育園看護師を目指す方は育児本を1冊買っておくことや子どもの事故の予防法について知っておくと良いと思います。
保育園の看護師は辛い?経験者が語る保育園看護師のリアルとは
保育園で辛いと感じたこと
①看護師が一人だけで辛い
②保育士さんとの認識のズレ
③周りの保育士さんや園長先生がサポートしてくれない
①看護師が一人だけで辛い
②保育士さんとの認識のズレ
③周りの保育士さんや園長先生がサポートしてくれない
園での医療職は看護師一人だけで心細い

ですが、保育園はそうもいかず医療職は基本的に一人です。何かケガや病気が発生すると、処置や判断を仰がれるため的確で正しい知識が必要です。(判断が間違っていた時に親御さんに責められることも)
子どもへの知識は自分で身につけるしかない
私は自分に知識をつけるため、看護協会主催の小児看護の講習会に1日お休みをもらい参加しました。またフェイスブックで知り合った保育園看護師さんへ他の園ではどのように対応しているのかを聞いています。保育士さんとの認識のズレ

講座では洗い残しの多い場所の画像をインターネットから引用し見せたり、実際に手洗いをしてもらい手洗いチェッカー(UVライトで照らすと荒井の懲りたところが光って見える物で保健所で借りられました。)を使いました。
その場では手洗いの大切さや感染予防のための重要性を理解してもらえましたが、実務となると忙しさに負けて園児に手洗いを促すことはなく、私が気付いた時に園児に直接手洗いを指導しています。
保護者に問題のある家庭も多く対応が大変

しかし、保育園は児童福祉法に基づく施設のため、養育環境に問題のあるご家庭のお子さんも登園しています。
保育中の虫刺されでクレームを入れるご家庭があり、保育士さんとどのように説明をするか打ち合わせたりと思ってもいなかった業務も多々発生します。
虐待防止も保育園ナースの仕事
また、虐待を受けている子の親御さんに知的障害があり、毎日着替えの時間に保育士さんが全身を確認し、傷がある場合は看護師に報告がきます。傷の原因を本人と親御さんに確認し状況によっては児童相談所へ通報もします。状況によっては行政と連携し支援もおこないます。役所の保健師や児童相談所の職員より月一回程度該当する園児の園での状況確認の依頼があり、文書で回答するためまとめたりする手間があります。
知識を磨き、コミュニケーションを取るように心がけた
看護師は一人なので、大変に感じることもあります。そんなときは、保育園看護師の知り合いや友人に話を聞いてもらいました。同業者の話を聞く事で「みんな同じような悩みを抱えて仕事をしているんだ」と吹っ切れました(笑)また、私自身も子どもに関する病気やけがの処置について知識が足りなかったので勤務の空き時間に小児看護の本(学生時代に使っていたもので買い足しはしませんでした。)を読んだり、休日に3回ほどセミナーに参加して自信をもって対応できるように知識を付けました。
保育士と看護師の認識の違いについては働いていくうちに教育課程が違い専門性も違うので、看護師のあたりまえは保育士さんのあたりまえではないことを常に頭に入れてお話をしています。
無事にそのにお預かりしていた園児が全員帰っていく姿をみると今日も一日やり切ったなという達成感があります。業務量は特に多くなく、保育士さんと違い座っている仕事がほとんどなのでそんなに疲れは感じません。
保育園に勤める看護師のやりがいって?

①子どもの成長を間近に見られる
②時には保護者に感謝される
③人生の最も大切は幼児期に関われる
②時には保護者に感謝される
③人生の最も大切は幼児期に関われる
私が最もやりがいを感じていることはその子の人生にとって大切な幼児期に関われることです。

名前を覚えてくれたり、時には「絆創膏の貼り方を教えて」、「私も大きくなったら看護師さんになりたい」と言ってくれることがとてもうれしいです。
看護以外でも役に立てるようになり、やりがいを感じるようになった

私は親御さんに相談先を紹介したり、お子さんの成長(前に比べるとこんなことができるようになった)をお伝えし、不安の軽減に努めました。

また、児童相談所の心理カウンセラーの方と園での様子(どんな運動ができる、他の子と比べてこんなところができないなど)を情報共有し得たアドバイス(その子専属で一人フォローの保育士をつける)を実践し子供とかかわったことで1年たった今はほかの同年代のお子さんと同じように歩き、遊ぶことができるようになりました。
最近の成長ぶりに親御さんがとても喜んでくださり、お子さん自身も毎日ニコニコしながら登園している姿をみるととてもやりがいを感じます。
保育園の看護師の年収は安い?勤務条件は良いか

保育園の看護師ってお給料どうなの?
保育園 | 大学病院 |
|
---|---|---|
月収 | 23万円+残業代(約1万円) | 21万円+残業代(大体月2万円程度)+夜勤手当(月5万円) |
ボーナス | 年二回:計30万円 | 年二回:計100万円 |
年収 | 約310万円 | 約450万円 |
私の現在の給料は、月額23万円+残業代(大体月5時間程度で1万円程度です。)そのほかに交通費が支給されています。
1年勤めるごとに年間8000円程度年収が増えていきます。保育園看護師の月収としては平均だと思います。ボーナスは年2回で計30万円程度で、合計すると年収は310万円程度になります。
大学病院時代と比べると給料は激減
大学病院勤務時は基本給21万円+残業代(大体月2万円程度)+夜勤手当(月5万円) ボーナスが年2回で計100万円程度だったため、年収としては450万円ほどでした。病院勤務時代と比べるとだいぶ収入が減少しましたが、実家暮らしなので家賃が掛からないので、収入の減少によって何か生活に支障が出ることはありませんでした。
収入よりも子どもと接する仕事がしたかったので今の仕事に満足しています。
病院と全然違うって本当?保育園看護師の勤務環境をチェック!
残業・夜勤について

お迎えに来る保護者の方に話したいことがあるときや、病院への付き添い等がある場合な残業もあります。残業はすべて申請できる職場なのでサービス残業はありません。
病院時代は2交代勤務で月5回の夜勤があり、サービス残業も多かったので、以前よりも働きやすい環境になりました。
働きやすさについて

午前中は保育に参加することが多いですが、午後は園児がお散歩や昼寝をしているので何か対応することが発生しない限り、看護室で一人で事務作業をしています。(行政からの問い合わせに回答する文書作成、保育に必要なおもちゃなどの物品発注など)
業務量はさほど多くなく、勤務時間中にすべて終わります。看護師が一人しかいないので休みがとりにくいのがネックですが、夏休み等長期の休みを取るときには派遣の看護師さんを頼みます。
病院勤務時はシフト制で休み希望を毎月3日出せたので希望休は通りやすかったです。
保育園で看護師として働くメリット・デメリット

保育園で働くメリット
①ゆとりを持って働ける
②子どもに関する知識が身につく
③夜勤がないのでワークライフバランスがとりやすい
②子どもに関する知識が身につく
③夜勤がないのでワークライフバランスがとりやすい
病院勤務時はいつも時間に追われながら仕事をしていたため、常にだるさや眠さがあり体調が優れませんでした。しかし、保育園は基本的に保育士さんが何でもやってくれるのでゆとりを持って働けます。
子どもの病気や感染症についてなど業務に関わる事柄については、嫌でも勉強せざるを得ません。しかし、子どもに関する知識を身に着け実際の保育でいかせることがやりがいにつながっています。
ほとんどの子が0歳から5歳まで通園長期的に子どもに関わることができるので、発達の異常に気が付いたりできる視点が身につきます。
個人的には夜勤がなくなり、体力的な負担があまり大きくないことが最大のメリットでした。
保育園で働くデメリット
①給料が安い
②頼れる人がいない心細さがある
③保護者のキャラクターによって対応が大変なことがある
②頼れる人がいない心細さがある
③保護者のキャラクターによって対応が大変なことがある

私が感じる最大のデメリットは給料が安いことです。一緒に働いている保育士さんに比べるともらっていますが、どうしても病院勤務時代と比べてしまう自分がいます。
また、看護師が一人なのでこの程度にケガは病院へ行くべきなのか迷ったり、処置に自身がない時に気軽に相談できる人がいないのはデメリットに感じますが、その分責任持って仕事できるため、やりがいにもなっています。
保護者によってはケガや病気の対応について事細かく聞かれたり意見を述べられたりする方もいるので状況を時系列でメモし聞かれたときにこたえられるようにすることや言葉遣いに気を付けて対応しているため常に神経を使っています。
経験者が語る!保育園で看護師として働くのに向いている人とは

保育園で看護師として働くことが向いている人
保育園で看護師になるのに向いている人
①おおらかな性格の方
②小児科での勤務経験や子育て経験がある方
③明るく元気な性格の方
①おおらかな性格の方
②小児科での勤務経験や子育て経験がある方
③明るく元気な性格の方
子ども相手が主な仕事なので、子どもが好きな方にはおすすめです。明るく元気な性格の方の方がお子さん受けも良いですし保護者の方も安心できると思います。
また、小児科での看護師経験や子育て経験のある方は、ご自身の経験を生かして働けるとても良い職場だと思います。看護師が一人なため、ある程度の看護師経験(3年程度)がある方が良いと思います。
もちろん私のように小児科での経験や子育ての経験がない人でも日々学びながら仕事をすることは可能ですので絶対にこの経験が必要ということはないです。
保育園で看護師として働くことが向いていない人
①臨機応変な対応が苦手な方
②キャリアアップを目指してバリバリ看護師として働きたい人
③あまり人と話さなくてもよい職場に行きたい人
②キャリアアップを目指してバリバリ看護師として働きたい人
③あまり人と話さなくてもよい職場に行きたい人
ほぼ子どもと接する仕事なので子どもが苦手な方にはつらい仕事かと思います。
また、病院のように研修が充実している環境ではなくキャリアアップもあまり見込めないためバリバリ看護師として仕事をしたいという方には少し物足りない職場だと感じてしまうかもしれません。
私が保育園で働く前のイメージは、病院より気楽な職場といったイメージだったのですが実際は子どもはこちらが予想しないケガや事故にあったりするので臨機応変な対応が必要ですし、保護者の対応など気を遣うことの多い仕事で決して気楽ではありませんでした。
保育園で働きたい!私が試した求人の探し方

保育園の看護師の求人ってどうやって探したらいいの?
私が保育園の求人を探した方法
①ハローワーク
②各保育園のホームページ
③看護師専門の転職サイト
①ハローワーク
②各保育園のホームページ
③看護師専門の転職サイト
ハローワーク

一度ハローワークに行って登録をしなければならないのがネックですが、相談員の方と直接お話ができるので親身にお話を来てくれるのが良いところだと思います。
病院以外の求人数が少なかったため結局こちらで求人を紹介してもらうことはありませんでした。
各園のホームページ
こちらに関しては直接転職に関する使用はしませんでした。園の様子を確認したり交通アクセスを確認するのに活用しました。
看護師専門の転職サイトで紹介を頂いた園の様子をホームページで確認し写真の雰囲気が一番良かった現在の園に就職を決めました。
看護師専門の転職サイト
登録した翌日には電話で転職希望条件のヒアリングと求人紹介をしてくださいました。紹介いただいた園の面接日程の調整や履歴書の添削等すべて担当者の方が行ってくださったので仕事をしながらスムーズに転職活動ができました。
ハローワークよりも迅速な対応をしてくれるイメージです。
保育園へ転職したいなら看護師専門の転職サイトがオススメ!
看護師専門の転職サイトなので担当者も看護師の勤務状況をよく知ってくれていました。私が転職のときに登録したナースフル以外にも看護師専門の転職サイト(別記事で求人情報が豊富な看護師専門の転職サイトを比較しました)があり、探さなくても条件に合わせて紹介してくれるので、便利ですよ。是非参考にしてみてくださいね。(万が一就職した先が合わなかった場合は再度転職を支援してくださるそうです。)
面接の日程調整や履歴書の添削、就職後1か月程度たった後勤務状況はどうか確認をしてくださりアフターフォローも万全でした。
子どもを通して看護師として成長出る保育園看護師
保育園看護師は毎日通園してくる子どもの健康管理を通して自身が看護師として成長できる職場です。
大変なこともたくさんありますが子どもに癒されながら勤務できます。
病院勤務と比べるとお給料は下がってしまいますが、ワークライフバランスはとりやすいです。
自分のライフステージに合わせて長く勤務できる職場だと思います。