総合病院の耳鼻科看護師は本当に楽?仕事内容や給料事情を経験者が解説

[公開日]2018/10/04[更新日]2018/10/11

「耳鼻科の看護師の仕事って、他の診療科より楽なの?」
「耳鼻科看護師の仕事内容や役割について具体的に知りたい」
「耳鼻科看護師って、年収はどれぐらいなの?」


私は耳鼻科で働いた経験もある、勤務歴18年の看護師です。

耳鼻科の看護師へ転職を考えている人は、具体的にどんな業務をするのか気になりますよね。

何となく「他の診療科よりも楽そう」と思っている人も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では耳鼻科のクリニック及び病棟での実体験から、仕事内容は本当に楽なのか、また給料についてお伝えします。

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執筆者:奥平 早紀
看護師

看護師歴18年。総合病院の耳鼻科、整形外科、内科、小児科で勤務経験を持つ。




総合病院の耳鼻科看護師の仕事内容は楽?



耳鼻科の仕事内容は「楽なんじゃないの?」という疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?

実際の仕事内容はどうなのか、具体的に解説していきます。

耳鼻科の看護師が行う業務内容とは?

耳鼻科の看護師が行う業務内容とは、主に以下の通りです。

・医師が診察しやすいように頭の位置を調節する
・処置に必要な器具を渡す
・状態を把握するための問診、治療や処置の説明
・眼振検査、聴力検査、トモ、レントゲン、CT検査の補助
・ネブライザーの準備と実施
・診察後の内服薬の説明、自宅で注意すべきこと、次回の受診日を説明
・紹介状の準備、説明
・入院する場合は、入院患者情報を病棟看護師へ申し送り

耳鼻科の看護師にとって特に大切な仕事は、患者さんに自宅に帰ってからの過ごし方を伝えることです。治療後は安静を必要とする場合は、しっかりと自宅での過ごし方を説明し理解できたかを確認します。

耳鼻科の看護師の一日は楽?

耳鼻科の看護師の一日は「楽だ」と思われがちですが、実際はかなり多くの業務があります。

総合病院で病棟勤務の場合のタイムスケジュール
8:30 申し送り
夜勤者から申し送りを聞く

9:00 清拭、検温
清拭をしながら患者さんの状態を把握、同時に検温をおこなう

10:00 点滴準備と介助、同時に医師の回診の介助
検査データやレントゲンなどを医師に渡す、処置がある人は、その場で器具を渡し介助する

11:00 点滴終了者の抜針

12:00 内服薬の準備と配布

12:30 食事介助

14:00 検温

15:00 検温を記録

16:00 点滴準備、介助

17:00 夜勤者へ申し送り、点滴終了者の抜針

17:30 業務終了

この間に、午前、午後、夕方とおトイレに行けない方の介助やオムツ交換などをおこないます。

鼻出血などがひどい人は、臥床安静が必要なため、尿器やポータブルトイレを片づける業務も含みます。

クリニックの耳鼻科とはどこが違う?


クリニックと総合病院などの入院施設がある場所では勤務体制に違いがあります。実際の診察スケジュールを見てみましょう。

耳鼻科クリニックの診察スケジュールの例
8:30 午前受診の受付開始
9:00 診察開始
11:30 午前受診の受付終了
13:00 午前診察終了、休憩へ
15:00 午後受診の受付開始
15:30 午後受診の診察開始
18:00 午後受診の受付終了
19:00 午後診察終了、使用物品の補充、後片付け
20:00 業務終了

昼食と休憩の時間が長く、拘束時間が長いため、ほとんどがシフトでの勤務です。

ほとんどの患者さんが自分で動けるため、病状に問題がある場合や精査が必要な場合は、紹介状を書いて自分で他院へ受診してもらいます。

医師の治療も、クリニックでできる範囲になるため、吸引や薬の塗布、異物の排除などがほとんどです。

看護師は聴力検査や耳鼻科内視鏡、レーザー治療器の準備や介助が必要なため、知識が必要となりますし、受付や会計も看護師が行います。

耳鼻科の仕事は本当に楽?総合病院とクリニックはどちらが楽か?


総合病院とクリニックなら、仕事内容はクリニックのほうがシンプルで覚えるのが楽でしょう。

総合病院の場合、耳鼻科だけでなく他の診療科の患者さんも同時に受け持つため、点滴や内服薬などの投薬を間違えないよう注意が必要です。

その点、クリニックでは耳鼻科のみに集中できるため、疾病や点滴、投薬の種類などの知識も耳鼻科に絞って学んでおけば大丈夫でしょう。

耳鼻科で使用する機器の使い方を覚えるのは難しい?


耳鼻科で使用する機器の専門知識は、それほど難しいものではありません。

耳鼻科で使用する主な機器
①聴力検査器
使い方は簡単ですぐに覚えられる
②インピーダンスオージオメーター
使い方は簡単ですぐに覚えられる
③耳鼻科内視鏡
胃カメラと似ていて、セッティングや介助が覚えやすい
④ネブライザー
組み立てに手間取ることはあるかも
⑤レーザー治療器
医師が使用し、看護師の役割は介助のみ

ネブライザーは、クリニックや病院によって仕様が違い、ボタンを押すだけで可能なものもあれば組み立てが必要なものの場合は最初は組み立てに手間どることがあるかもしれません。

機器の使い方よりも、医師が安全に機器が使えるように患者さんの頭を固定し、医師が患者さんから目を離さなくても必要な物品を受け取れるように渡すことがもっとも重要です。

総合病院の耳鼻科の看護師の年収は高い?勤務条件は良いか



それでは、気になる耳鼻科看護師の給料事情について、解説していきます。

クリニックよりも総合病院の耳鼻科看護師の方が年収は高くなる

クリニックと総合病院での看護師の年収は、総合病院の方が高くなります。

クリニック勤務の看護師の年収・・・平均約280万円
総合病院勤務の看護師の年収・・・平均約370万円

収入差の原因は夜勤や危険手当
クリニック勤務は、夜勤がないためその分、年収が少なくなります。

夜間外来時や病棟勤務の場合、痛みに耐えかねて患者さんが暴れることもあり、危険手当が給料に含まれるのです。

疾患によっては二次感染の可能性もあるため、危険手当は看護師を守るために支給されています。

総合病院の耳鼻科看護師の勤務時間・残業は辛い?

総合病院の耳鼻科看護師が残業になるのは主に以下のケースです。

・日勤終了間際に新たな入院患者さんが入る時
・入院患者さんに急変が起こった時

夜勤者は通常2~3人でおこなっているため、日勤と夜勤の間の入院は日勤者がアナムネを取り、ムンテラに同行するようになります。

急変時も、なるべく夜勤者に負担がかからないように日勤者でできる範囲おこなうのが通常です。耳鼻科の患者さんの急変は多くありませんが、急変すると重症になる場合があるので、緊急時の対応が必要となります。

クリニックの耳鼻科の場合は?
クリニックでの勤務の場合、受付時間が決まっていますが、処置に時間がかかる時や、患者さんへの話が長引く時には残業となります。

休みの次の日と休みの前の日が、残業が多い傾向です。

総合病院の耳鼻科看護師に夜勤はある?

総合病院では、外来勤務も病棟勤務も夜勤があり、内容は以下のとおりです。

外来勤務・・・16時~翌朝9時まで救急外来での夜勤
・耳鼻科だけでなく、内科、外科、整形外科などの処置に対応
・他の病院に搬送する際もサマリー記入など素早い対応が求められる

病棟勤務・・・16時~翌朝9時までの夜勤
・見回り、検温、食事介助、排泄介助、点滴、緊急対応など
・他の病院に搬送する際もサマリー記入など素早い対応が求められる

夜勤手当はいくらくらい?
夜勤手当は、病院によって違いますが、2万円前後が基本となります。

夜勤の場合、看護師が少ないため多くの患者さんをみなくてはいけないので、落ち着いている時や良いですが、急変時や入院があると大変です。

夜勤勤務に慣れている人は、日勤よりも業務が少なく手当も出るため望んで行う人もいます。

総合病院よりもクリニックの方が勤続年数は長い?

総合病院は異動が定期的にあるため、耳鼻科だけに長年勤務している人は少なく、平均年齢は35歳程度です。

総合病院はこの「異動」のタイミングで辞める人も多いため、平均の勤続年数はあまり長くなりません。

そのため、総合病院よりもクリニックで働く看護師の勤続年数の方がずっと長くなり、クリニックには15年以上勤務している人も多いのです。

総合病院の耳鼻科で看護師として働くメリット・デメリット



それでは、総合病院の耳鼻科で看護師として働くメリットとデメリットを見ていきましょう。

総合病院の耳鼻科で看護師として働くデメリット

①二次感染の危険性がある
抵抗力が弱い時などは注意が必要
②忙しすぎる
かなりの気力と体力が必要
③他の診療科への異動が困難
他の科に慣れるまで時間がかかる
④危険手当が少ない

耳鼻科は特殊な診療科のため、新人の時から耳鼻科のクリニックや外来、入院患者の看護のみの人は、他の科へ移動するのが難しくなります。

異動の指示が出ても他の診療科へ移る勇気がなく、移動しても慣れるまで時間がかかり、辞めてしまうことが多いのも特徴です。

一方で、以下のようなメリットもあります。

総合病院の耳鼻科で看護師として働くメリット

①専門的な知識が身につく
耳鼻科特有の疾患を学べる
②機敏な動作が身につく
医師が素早い処置に対応できるようになる
③聴力検査などの使用方法を学べる
非公開求人には魅力があった

鼻や耳、咽などの処置は苦痛を伴うため、医師が素早く処置を行うため、看護師も機敏な動作が自然と身につきます。

それに伴って、緊急時の対応もいつの間にか身につくほか、専門知識も身につき、やりがいを感じられる職場です。

総合病院の耳鼻科看護師に向いている人・向いていない人


カウンセリングを考える看護師


総合病院の耳鼻科看護師に向いていない人

①子供の泣き声が苦手な人
子供が治療に怖がって泣くことが多い
②じっくり落ち着いて仕事したい人
素早い診察・診療についていく必要がある
③匂いに敏感な人
受診する人の多くは感染症の影響で特有の匂いがある

以上のような人は耳鼻科の看護師にはあまり向いていないでしょう。

総合病院の耳鼻科看護師に向いている人

①子供や高齢者の扱いに慣れている人
子供や高齢者の患者さんが多い
②体力がある人
忙しい業務でもバテない力が必要
③忙しい現場で活躍したい人
忙しい現場でやりがいを感じられる人が良い
④多くの知識を学びたい人
耳鼻科の専門知識を向上心を持って学ぶことが必要

総合病院の耳鼻科看護師の業務は、日々忙しい業務なので、体力がある人、忙しい現場でやりがいを感じながら看護師として活躍したい人にはぴったりの診療科です。

自分に合った耳鼻科看護師求人を探すには?私が試した4つの方法



耳鼻科看護師に転職したかった私は、耳鼻科の求人を以下の4つの方法で探しました。

①各病院のウェブサイト
②ハローワーク
eナースセンター(都道府県看護協会の求人サイト)

④看護師専門の転職サイト

看護師専門の転職サイトには抵抗があったのですが、一番便利だったのは看護師専門の転職サイトでした。その理由を紹介します。

看護師専門の転職サイトを使って良かった理由

①求人票に書いていない情報がわかった
残業や夜勤の実態がわかった
②自分のキャリアで何がアピールできるのかわかった
浅いキャリアの自分でも自信が持てた
③自分で探しても見つからなかった好条件の求人と出会えた
非公開求人には魅力があった

これまでにいくつかの病院を経験して「求人票」を信用できなくなっていた私は、求人票だけで応募を決めることができず、なかなか転職活動が進められずにいました。

しかし、キャリアアドバイザーから情報をもらえ、細やかに相談に乗ってもらえたことで、自信を持って転職活動を進めることができたと思います。

求人票だけではわからない情報は匿名で質問してくれる
転職サイトのキャリアアドバイザーの人は聞きにくいことも匿名でなんでも聞いてくれたので助かりました。例えば、こんな内容も病院にどんどん尋ねてくれます。

・私に予定される基本給や夜勤手当の金額
・昇給の可能性や金額
・耳鼻科への配属を考えているか
・残業はどれくらいあるのか
・支払われている残業代の金額


転職サイトに登録してから、一人で転職活動をしていたときとは比べ物にならないくらい情報量が増え「行きたい」と思える耳鼻科にどんどん出会えるようになりました。

自分のキャリアの中でアピールできるポイントが分かる
また、キャリアが浅く自信が持てなかった私の過去の経験を紐解いて聞いてくれて「こんなことがアピールになるんだ」と目からウロコでした。自分の看護師としての価値を再発見できました。

自分が転職する際に何を伝えれば良いのかがハッキリ見えたことが、一番のメリットだったと思います。


耳鼻科の求人が多いのはどれ?看護師転職サイトおすすめランキング



それでは、私が耳鼻科看護師に転職する際に、実際に登録してよかったと思えた転職サイトを紹介します。

看護師の転職サイトを選ぶポイントは以下の3点が重要です。

看護師専門の転職サイトを選ぶポイント
手厚い転職サポート体制があるか・・・看護師の転職では専属のキャリアアドバイザーを活用できるかが重要
耳鼻科の公開求人件数が多いか・・・非公開求人もあるので完全にはわからないが取扱求人件数の目安になる
信頼できる会社が運営しているか・・・求人、キャリアアドバイザーの質に影響する可能性がある

これらの点を踏まえ、耳鼻科志望だった私が登録して良かった転職サイトを紹介します。どのサイトも登録は無料です。


サイト
総合評価
転職サポート
耳鼻科の公開求人数

求人数多く
担当も経験豊富

面接・書類対策
手厚く支援

4083件

耳鼻科求人数
TOP

専任担当が
求人を紹介

7595件

担当者と
2人3脚

現場知る担当に
会って相談

不明
絞り込み
検索不可

求人は少ない
大手のサイト

専属担当が
対策/交渉支援

132件

※耳鼻科の公開求人件数は2018年9月6日に小児科の求人を絞り込み検索した結果

耳鼻科の求人になるべく多く触れ、自分と相性のいいキャリアアドバイザーを探すためにも、必ず2~3社以上の転職サイトに登録しましょう。その中で1社、自分と合うキャリアアドバイザーをメインの相談役にすると良いでしょう。

それでは、特に登録をオススメできる3つの看護師転職サイトについて紹介します。


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もちろん、まだ耳鼻科への転職を決断していない状況でカウンセリングは受け付けてくれたので、私はまず今の仕事の悩みを相談してみました。それだけでもかなり視野が広がったと思います。

担当のキャリアアドバイザーは何度も病院に足を運び、細やかな情報も多く持っているので、自分に合った耳鼻科を見つけられる確率はグッと上がります。

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ナースではたらこ「ナースではたらこ」を運営している「dip」は求人の専門会社です。地域別の求人情報に精通したエリア担当者が多数在籍しています。

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総合病院の耳鼻科看護師になるにはまず転職サイトに登録を


総合病院の耳鼻科看護師は子供や高齢者の扱いになれており、処置をテキパキとできる人に向いているでしょう。

耳鼻科看護師に向いている人でも、職場となる病院が自分に合わなければ、すぐに退職することになってしまいます。

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